ミラー効果

ミラー効果

ある友人が教えてくれた。不理屈に面食らい怒りがこみ上げそうになったら、まず鏡を見て口角をあげろ。自然とうまく行くものだ。


ベビーシッターの新人研修では、とにかく満面の笑みを絶やさないこと、と指導している。

子どものころ、私にとっての恐怖は、暗い場所でもなければ、父でも雷でもなかった。運動会や文化祭に時々現れる無表情なピエロ。木造校舎の理科室の暗がりにいる動くはずのない標本を思わせる、その不自然なくらい完璧な無表情に背筋が毎度凍ったものだ。目が合うと脈拍も凍る。


そもそも、無表情とコミュニケーションは共存するのか。


チンパンジーと違い人間の子どもは、他者の顔の表情を見ながら人の行為を理解し学んでいくという。例えば、女性がペットボトルに入ったジュースをコップに注ぐという動作に対する視線の動きを調べると、チンパンジーの視線はペットボトルなどの「もの」に集中するのに対し、人間の子どもの視線の先は女性の顔だという。京都大の明和准教授(発達科学)は、「赤ちゃんは顔を一生懸命見て、心の状態を読み取ろうとする。・・・顔色を見ながら学ぶ能力は、人とチンパンジーが進化の道を分けた後に、人が独自に獲得した可能性がある」としている。(東京新聞 2012年2月22日)




アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、人間のコミュニケーションにおいて、話し手が聴き手に与える印象の大きさは『言語情報:7%, 視覚情報:55%, 聴覚情報:38%』の割合だという(『メラビアンの法則』)。

中国の家電メーカー「ハイアール」のコールセンターでは、電話の横にそれぞれが鏡を置いて対応をしている。お客様とのコミュニケーションでは「笑顔」を確認しながらの応対が全社をあげてのモットー。秋田県羽後町JAに設置された農家の女性たちによる「ふるさとコールセンター」でも、鏡で笑顔を確認しながら行う「おいしい米の炊き方」説明が好評を得、販売数を飛躍的に伸ばしたという。


「ミラー効果」とは心理学の世界で「同調効果」とも言われ、人は他社の言動や表情に知らず知らずの間に同調するというもの。要は、目の前にいる人が楽しそうであれば、自分も楽しい気持ちになるということ。



私も今日から机に鏡を置いて仕事をしてみようかな・・・


ベビーシッティング コーディネーター とみた

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