『子育ては楽しい』Vol.7 「いま」

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その一 ~ タイミング ~シッターとして子育てに関わる中で、『いま』を感じることがあります。その『いま』にも、『たった今!』の瞬間的なものから、『今頃かな』…のおおざっぱなものなどいくつかの『いま』があります。 先日、Kくんのお宅でシッティングをしていたときのことです。


1歳もだいぶ過ぎ、色々なことが良くわかるようになり、好きなものや、お気に入りのおもちゃもできてきたKくん。お話しもだいぶわかるようになり、まねっこもできるようになってきました。そろそろ、おもちゃを種類で分けてしまえるように、箱などを用意してあげると良いかな…遊びやすくもなるし、毎回散らからなくて済むし、お片付けも自然に上手になるし…。などと考えていたところ、次にお伺いしてみたら、まさに私が思い描いていたようなきちんと仕分けされたおもちゃ箱が用意されていました...


お母さまに、『すばらしいタイミングですね!』とお話ししたところ、『特別にそんな時期かなと考えたわけではなく、なんとなくで...』とのこと。難しい理屈抜きに、日々の子どもの姿や様子を良く見ていれば、その子に合ったタイミングを自然に感じられるのだ... 母のチカラ?のすばらしさを改めて感じた出来事でした。


子どもの成長においては、そのとき(正しいタイミングで)に身につけると、その子が苦労せずにすんなりと出来るようになる、『最適な時期』というのがあります。その正しいタイミングに、成長に合った環境を整えてあげることは、子どもの成長に大きな影響を与えるのはもちろんのこと、子育てを楽にし、子育てをさらに楽しくできます。子どもの成長をゆったり、そして、しっかりと見守ってみると…自然にその子それぞれにとっての『いま』が見えてきます。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.6 「あのね」

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子どもは自分の話しを聞いてもらうのが大好きです。お話しができるようになったばかりの子どもは、とにかくうんうん…と聞いてもらうと、嬉しそうにお話しを延々と続けます。少し大きくなると…、今度はただ聞いてもらうだけではダメで、ちゃんと返事を返したり、一緒に感心したりして欲しくなります。こちらが違う方を見ていたり、違う人と喋っていたりすると、手で顔を強引に自分の方へ向けられたりすること、ありますよね。


そしていつのまにか、すっかり上手にはなせるようになり、とても楽しい会話ができるようになり、更には自分の気持ちや考えを表すお話しだってできるようになっていきます。


子どもの『あのね』は、成長の段階や、その時の状態で、いろいろな『あのね』に変化します。単純に嬉しい「あのね(^^)」だったり、独占の「あのねあのね!」だったり時には悲しい「あのね…」だったり、みんなで笑える「あ・の・ね」だったり。


先日、久しぶりのシッティングでお会いしたSちゃん、会わなかった間のできごとや自分の思ったことなどを、「あのね」「あのね」と次から次へとお話してくれました。そんな楽しいお話しを聞きながら、以前よく夜寝るときになると、お布団の中で、その日にあったことなどを延々と話し続け、(なかなか寝てくれなくてドキドキする私をよそに・・・(笑))たくさん話しを聞いてもらったあとは、満足して眠りについた姿を、なつかしく思い出しました。なんだかすっかりお姉さんになったSちゃんの、この日の「あのね」は、きっと毎日の生活や気持ちが落ち着き、穏やかで楽しいのだろうなぁ・・・ということが伝わってくるような、とてもステキな、幸せな『あのね』でした。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.5 「失敗は成功のもと」

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ある日のシッティングでの夕食準備中、2歳になったAちゃんは、小学生のお姉ちゃんと同じように、お手伝いをする気満々です。お姉ちゃんのまねをして、マヨネーズのチューブをギュッ!!…その途端、マヨネーズが飛び散りました。ギャ~と思いながらも、お姉ちゃんと私は大爆笑。驚きのあまり固まっていたAちゃんも、顔にマヨネーズの点々をつけながら照れ笑い。「あ~あ」と言いながら3人で掃除をして、その後無事に夕食準備を終え、食事に至りました。もちろん、みんなで思い出し笑いをしながら・・・いつも以上に楽しく美味しく。


そして次の週…。またまたお手伝いのAちゃんは、なんと!マヨネーズのチューブの口を下に向け、そ~っと押しているではありませんか。子どもは天才です!!たった1回の失敗で、自ら学習するのです。


子どもが失敗をした時…ついつい「も~!何やってるの~!」と怒ってしまいたくなりますが…そこはひとつ、グッと我慢…。子どもだって、わざとやっているわけではありません。叱ったって、気まずい雰囲気になるだけです。


子どもには、先を予想する力はありません。それは、経験をして身につけていく力、たくさん挑戦してたくさん失敗することで、つく力なのですから。いくら叱っても、出来るようになるわけではなく、かえって次の"やる気"まで喪失させてしまうかもしれません。


子どもがしくじった時…どうせなら、笑っちゃいましょう!(^^)きっとその方が、失敗を恐れない、前向きな子どもになってくれるはず!


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.4 「ありがとう」

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ある(シッティングでの)晩、小学生の男の子が寝る前に、「今日は楽しかったね。ありがとう!おやすみなさい」と言ってくれました。とてもあたたかく、嬉しい挨拶でした。この「ありがとう」ということばは、簡単なようでなかなか言えない・・・そして子育てにおいては、意外と重要で役立つことばであると感じています。


子どもに、生まれてきてくれてありがとう!ここにこうして存在してくれてありがとう!と思う気持ちが、みんなを幸せにすることはもちろんのこと、この「ありがとう」ということばを心掛けて使うことが、子育てを楽にしたり、子どもがポジティブに成長していく上で、とても役に立ったりもするものです。


たとえば・・・帰って来たママが、「遅くなってごめんね」と言うより、「待っていてくれてありがとう」と言ってくれた方が、子どもはなぜか嬉しいし、ママにとっても肯定的。子どもが自ら何かをしてくれた時は、たとえ余計手間になったとしても・・・「ありがとう。助かるわ!」と言うと、子どもはニッコリ笑顔。いつかきっと、とってもお手伝い上手な子になってくれるはず。


赤ちゃんが生まれて、ちょっぴり寂しい上の子には、「お兄ちゃんなんだから・・・」「お姉ちゃんでしょ?」の代わりに「赤ちゃんに優しくしてくれてありがとう!」「ママのお手伝いをしてくれてありがとう」「赤ちゃんはやっぱりお兄ちゃん(お姉ちゃん)が大好きみたいね」と・・・。


子どもは、ことばかけ一つで、びっくりするほど変わることがあるものです。魔法のことば「ありがとう」ぜひお試しくださいね。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.3 「そのまま」

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先日、はじめての出産をなさったお母さまが「『かわいくて食べちゃいたい!』っていう言葉を、はじめて実感しました。」と笑顔でおっしゃっていました。ほんとうにそうですね。子どもがいるだけで、家族の中や、その場が、あたたかい雰囲気に包まれる・・・。


子どもというのは、存在しているだけで私たちにたくさんの幸せを与えてくれる魔法のチカラを持っています。


そこで、そんな幸せをもらったら、ぜひ、「あなたは、そのままで、ここにいてくれるだけで、私たちは幸せなんだ・・・」ということを、その子にたくさん伝えてみてはいかがでしょうか。


最近では胸が痛むような少年や青年による事件・犯罪などが起きています。こうした事件が起きるたびに、子どもの"自己肯定感"や、人を思いやる心の大切さが論じられています。


こうした中で、どれだけその子が幼い頃に"そのまま"の自分を受け入れられ、あたたかく見守られてきたか・・・ということが見直されています。


「そのままでいいよ」「そのままのあなたが大好きだよ」そんな気持ちを、子どもたちや家族に、言葉や態度でたくさん伝えてあげたい。


お互いに幸せを与え合える存在・・・ステキですよね。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.2 「待つ」

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自分で服のボタンを一所懸命にはめようとしている子どもの姿を見ながら、もしも「"子育て"を、たった一言で表せ!」と言われたら、"待つ"だなぁ・・・なんてよく思ったものでした。時間に余裕のある時は、「がんばれがんばれ・・・」と微笑みながら、そして、時間がない時には、あとちょっとでとび出してしまいそうな「早く!」を必死にこらえ、泣きそうになりながら。


子育てはいろんな意味で"待つ"ことにつきる・・・と実感します。身近な「待つ」は、たとえば、子どもが自分で靴をはいている時、ズボンをはこうとして片方に足を二本も入れようとしている時、子どもの話しをちゃんと聞いてあげようと努力しているけどなかなか話しが終わらない時、やっと腕の中でスヤスヤと眠った子をいつベッドに降ろそうかと悩んでいる時、などなど。う~ん手伝いたい・・・、途中で修正したい・・・、でもがまんがまん・・・、早くして~時間がない~、そんな「待つ」。ちょっと先の「待つ」は、いつになったらご飯をこぼさずきれいに食べられるようになるのかしらとか、おねしょは叱っちゃいけないっていうけれど・・・今日もお布団干し。開放される日が待ち遠しいわ~とか。もっと長い「待つ」は、この子がいつか自分のやりたいこととか、自分の夢とか、みつけて、ひとりで生きてゆくのね・・・なんて。
もともと人間の身体というものは、たいていの場合は、自然とよくなるほうへいくようにできています。ケガは消毒さえして待てば良くなるし、風邪だって、たいていの場合は、じっと休んでいれば治っていくものです。


子どもだって、個人差はありますが、みんなちゃんと成長していくのです。
ついつい、目先のことに気を取られたり、ほかの子どもと比べたり、型にはめようとしたり、理想の姿を思い描き過ぎたりして、なんだか焦ってしまいがち。もちろん、子育てには、待ちすぎてはいけないことや、親の手助けが必要なタイミングなどもあるものです。


子育てのコツはメリハリとタイミングです。


子どもに寄り添って、子どもの心の声を聴き、子どもの成長の方向を感じていれば、今必要なことは何か・・・は、親の直感が察知します。余計な邪魔はせず、子どもの生きる力を信じて、ちょっと待ってみましょう。自然と良い方法や楽しいことが見えてくるかもしれません。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

『子育ては楽しい』Vol.1 「寄り道」

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いつもの道。大人の足ならサッサと歩いて5分もあれば着いてしまうような距離。ところが、小さな子どもと一緒に歩くとなぜかあっという間に30分以上もかかってしまうことがよくあります。途中でアリを見つけてしばらく座り込んだり、落ちている葉っぱを拾って集めたり、石をこっそりポケットに入れたり、段があるたびに登ったり飛び降りたり・・・。次から次へと寄り道をします。


忙しい時だったら、待ちきれず、ついつい「早く早く!」と思ってしまいます。でも・・・実は、そんな時間は、子どもにとって(大人にとっても・・・かもしれません)とても大切な時間だったりします。子どもは、そんな何でもないような日常の中で、たくさんのことを学びます。天気や温度や風、季節の花や生き物。動物との関わり。危険な場所の存在や道路の歩き方、横断歩道の渡り方。知っている人との挨拶。絵本やテレビでは味わえない実感の伴ういろいろな言葉。そして、そんな楽しくて気持ちの落ち着ける時間を過ごせたあと、子どもは心も身体も安定するものです。


できれば、仕事や家事を少しだけ早めに切り上げ、または後回しにして、あるいはちょっとサボって、思いっきり子どものペースに付き合ってみましょう。一緒にアリを見ていると意外と大人も夢中になって子どもの頃を思い出して楽しんでしまったり、普段気づかなかった季節を感じられたり、近所に顔見知りが増えたり、いつの日か子どもが小学校に通うようになった時に安心だったり・・・思わぬステキなおまけまでついてきたりします。子育てのコツはメリハリをつけることです。子ども供に短くても充実した時間を過ごすことで、ほかの時間や関わりがうまくまわったりもします。そして、そんなかけがえのない時間の積み重ねがあれば、成長した子どもは、家族や友達を傷つけるようなことはしないでしょう。


子どもと手をつないで一緒に歩けるのは数年だけです。寄り道を楽しみながら、かけがえのない時間を大切にすごしたいものです。


チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

 

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